サイクリングアイランド四国(その2)

先日「サイクリングアイランド四国」のイベントの様子をお伝えしましたが、そこで伺った“四国の取組み”についてご紹介したいと思います。

一部においては愛媛県だけの取組みになっていますが、これから四国全土に拡がっていくことでしょう!

 

1 自転車に関する理念と計画

 

まず何といっても理念が素晴らしいです。

愛媛県の理念は「自転車新文化の創造」

なんと県政において「自転車」を中心的な役割においているのです。

そして、なぜ自転車新文化をつくるのかというと

「健康・生きがい・友情づくり」

のためだと言うのです!

「健康」は自転車では良く言われる効果ですが、

自転車は「生きがい」や「友情」といったものにまでつながるということ! ただの乗り物として自転車を位置付けるだけでなく、自転車によってそこまで考えているとは、かなり深いなぁと感心してしまいます。

そしてそれを実現するための取組も、段階的に計画されているところが素晴らしいところです。

もう一つ素晴らしいところは、市町村単位や都道府県単位の枠にとらわれていないところ。行政で取り組む場合は、境界にとらわれてついつい小さくなりがちですが、四国というもっと大きな世界を見ている点が、本当に最先端という気がいたします。

 

 

2 吸引力のある「観光資源」の開発

 

自転車を観光資源と捉える動きは、全国的に広がってきていますが、「しまなみ海道」などの強力なコンテンツがなければ、多くの観光客を引き付けることはなかなか難しいところです。

今回、四国において取り組んでいるのは、全体と部分の融合です。

1000kmに及ぶ「四国一周ルート」は骨格という考えのようです。そして、それだけではなく各県において、それぞれが魅力的なルートをまた準備しています。全体では「四国一周」という骨格となる強力な観光資源をつくりながら、部分としての各県での取り組みを融合させていることがまた素晴らしいところです。

その他も含めて「観光資源開発」の取組みをまとめると、次のようなものがあげられます。

  • 全体(骨格)と部分のメリハリをつけた観光資源開発
  • サイクリストの聖地化
  • レンタサイクルの整備
  • 企画イベントの実施

企画イベントとしては、「四国一周チャレンジ1000kmプロジェクト」を現在実施しています。

 

3 快適な自転車走行と移動の実現

 

快適な自転車走行は、自転車の取組みにおいては必須の条件ですが、四国はその規模が違います。

次のような取り組みがあげられます。

  • サイクルオアシスの整備
  • 走行空間整備(ブルーラインなど)
  • サイクルレスキューの整備
  • サイクルトレイン、サイクルバス
    (予土線・松山・西条・特急、伊予鉄など)
  • 手荷物一時預かり
    (松山市駅前、東予港)
  • 手ぶら観光サービス
    (松山市・松山駅・松山空港・松山観光港→宿泊先へ配送)
  • 自転車梱包用段ボールの預かり
    (松山空港)
  • 輪行袋レンタルサービス
    (今治駅、松山駅、宇和島駅)
  • 整備・組立スペース(サイクルステーション)の設置
    (松山空港・東予港。空港では工具も貸出し)
  • 更衣室の設置
    (松山空港)

本当はそれぞれもっと説明したいのですが、ものすごい量になりそうなので、またの機会に譲りたいと思います。

サイクルオアシスはなんと、愛媛県内で300か所以上にもなっているそうです。

 

4 安全の確保

 

安全は全ての基本です。特に愛媛県立学校でのヘルメット義務化などは、既に県内全体に取り組みが波及し、むしろ時代の最先端を行っているという気持ちで学生たちも誇りに感じているようです。

  • 思いやり1.5m運動
  • ヘルメット義務化
  • 自転車安全利用促進条例
  • 安全イベント・安全教室の実施
  • (自転車保険加入促進)

 

5 広報活動

 

広報活動も非常に力を入れています。

  • 国際大会の開催
  • 「サイクリングの日」を設定
  • 自転車イベントの実施
  • ポータルサイトの構築
  • 自転車都市との姉妹都市交流
  • 企画イベントの実施

広報活動の一環として「若者応援プロジェクト四国一周サイクリングChallenge!」が実施されました。

若者にとっても非常に貴重な、忘れられない体験が得られたようです。

 

6 自転車の普及

 

観光に目が行きがちですが、普段からの自転車普及活動にも積極的に取り組んでいます。

  • 自転車通勤の促進
  • タンデム自転車走行

 

 

今後の課題

 

今後の課題としては、次のようなものが指摘されていました。

  • 電動アシスト自転車の改善
    (速度によるアシスト比率の改善)
    (バッテリー容量による走行距離の限界)
  • サイクリングガイドの養成
  • 語学力強化によるインバウンド対応

どれもこれからの開発や取組みが非常に重要で、私たちも積極的に貢献していければと思います。

 

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