当社の志(こころざし)
<徒歩と自転車と思いやりのあふれるまちに>
当社が目指しているのは「すべての人が、今よりもっと『幸せ』を感じることができる社会」です。
そしてそのためには「徒歩と自転車と思いやりのあふれるまち」がもっと必要だと感じています。
徒歩と自転車と思いやりであふれた「自転車のまち」(※1) をつくる。そのことで、世の中の多くの課題が解決され、そこに住む一人一人の課題解決にもつながっていくと信じています。
※1 歩行者が安心して歩ける徒歩の重要性はとても高いですが、そのためにも自転車への取組みがとても大切なことから、あえて「自転車のまち」と呼んでいます。
<まち中に笑顔があふれ、交通事故で人が悲しむことのない社会に>
私たちが目指す「自転車のまち」とは、「まち中に笑顔と歩行者と自転車があふれ、交通事故で人が悲しむことのない社会」です。
その昔、人の移動手段は徒歩しかありませんでした。
文明と科学の進歩により、多くの交通手段が生み出され、世の中はとても便利になりました。
自転車もその文明と科学が生み出した道具の一つです。
地球の裏側でさえ、1日足らずで行けるようになりました。
これからさらに宇宙や地球外の星々も自由に行き来できるようになるでしょう。
しかし、人間の大きさは昔も今もそれほど変わっていません。大きな人でも2mを少し超えるくらいです。そして将来も大きくなることは想定されていません。
人間のスケールを大きく超えてしまったことで、大きな利便性を手に入れた反面、多くのものも失ってしまった気がしています。
交通事故の死者は毎年減少しているものの、日本だけで年間3,600人を超える方が亡くなっています (※2) 。私たちの身近なところで、毎日10人以上が亡くなっているのです。
もちろん利便性を追求することは必要ですが、今あるもので代替できるのであれば、できるだけそれを使うことが大切ではないかと考えています。そして「自転車」は、多くの交通手段を代替できる乗り物であると考えています。
一番良い移動手段は、徒歩で移動することです。もちろん早く広範囲に移動するためには道具を使う必要がありますが、時間とコストを天秤にかけて、できる限り徒歩と自転車で移動することを試しにやってみませんか?
それによって、多くの死亡事故と悲しむ人々を減らすことができます。
さらに、自転車は人と人をつないで、交流と笑顔を生み出してくれます。
その昔、福島県は猪苗代湖をサイクリングしていた時のことです。通る人、通る人、「こんにちは!」と私たち旅人に向けて地元の人が声をかけてくれたのです。これは地域特性もさることながら、自転車ならではのことなのだと感動したことを記憶しています。自転車は人と人を結び、人に優しい気持ちを持つことを手助けしてくれるのではないか。そんな自転車をもっともっと広げていきたいと感じています。
※2 自転車が加害者になる事故も3件発生しています。自転車のルール順守は、最優先で取り組むべき課題です。
<自転車は日本再生の切り札>
いま日本は人口減少社会に突入しています。
女性が一生の間に産む子供の数は1人あたり1.44人。2050年前後には人口は1億人を下回ると言われています。
若者をはじめ企業の中心にいる人たちまでもが日本の将来や自分たちの将来に不安を抱え、子供を産むことをあきらめる人さえいると言います。
人口減少下での経済維持のため、女性の就業率向上が積極的に議論されていますが、経済成長を優先していては、ますます子供を産み育てられなくなるかもしれません。
年金もいつからもらえるのか不確実な状況であり、老後を含めた将来にも不安だらけの状況です。
そして人口の減少により、多くの市町村が消滅することも指摘され、現実のものになろうとしています。
そんな中、市町村内のコミュニティや経済活力を維持していくためには、集まって住むことがとても重要な要素となっています。集まって住むことによって、税金で整備するインフラの量が減り、少ない財源でも市町村を維持することができます。
さらに、近くに人がいることによって外出が増え、交流が増え、買い物が増えることも指摘されています。
人々が集まることで仕事が生まれ、雇用が生まれ、交流により新しいビジネスの芽も生まれてきます。
そのような「人々が集まって住むコンパクトな町」をつくるためには、自転車がとても大きな役割を果たしているのです。
理想は「歩いて暮らせる町」ですが、徒歩を補完する効率的な乗り物としてその役割が注目されているのです。
魅力的なまちは、さらに人を惹きつけます。訪れたくなる町として観光客を生み、住みたくなる町として定住人口を生み、さらに大きな経済効果につながります。
自転車の効果は、コンパクトシティをつくるだけではありません。健康増進の手段として、スポーツ振興の手段として、観光のツールとして、災害対策の手段として、地球環境保全の手段として、多くの効果をもたらします。
人口減少、医療費の膨張、介護費の膨張、コミュニティの停滞、仕事と雇用の減少、経済活力の低下。自転車は様々な課題を解決する大きなポテンシャルを秘めています。
<当社の役割>
当社は、日本中に「笑顔と歩行者と自転車」があふれる「自転車のまち」を増やし、人口減少による経済活力の低下といった様々な課題を解決し、「すべての人が、今よりもっと『幸せ』を感じられる」社会にするため、以下の取組みを行っています。
○ 市町村が「自転車のまち」に変わるための、実行計画づくり
具体的には、
- 自転車推奨ルートづくり
- 観光分野との連携(自転車に合わせた商品開発、受入体制整備、レンタサイクル)
- 自転車走行空間の整備
- 駐輪施設の整備
- 地域住民の参画意欲の醸成
- 地域資源の有効活用
を行います。
そして、
2020年に日本全国の自転車の交通分担率を15%に、
2030年には30%に
さらに、
自転車を主要交通と位置付けるコンパクトシティ(立地適正化地域)を、
2025年に100市町村に
広げて、
それらの地域での交通死亡事故を0件に、
そして、
そこに住むすべての人が、『幸せになったなぁ』
と感じることのできる社会を目指します。
○自転車の持つ可能性を伝える
多くの魅力と大きな効果をもたらす自転車の可能性をわかりやすく伝えていきます。
<当社が大切にしていること>
- 他人を批判しない
自転車の効果を誰よりも信じていますが、他の交通機関の否定をするつもりはありません。それぞれがそれぞれの役割を果たす。その上で、ユーザーが自分の意思で自転車を選択して乗ってくれる。そのために、自転車のメリットだけでなく、自転車に乗る楽しみも増やしていかなければならないと考えています。
- 人に迷惑をかけない
外部不経済という言葉があります。話が少し難しくなってしまいますが、外部不経済とは「何かを行うことで負の側面を生み出してしまうこと」を言います。一例で言うと、経済の利益を追求するために、環境汚染物質を海や川に垂れ流してしまう、などです。早く移動するという経済利益を追求するために、二酸化炭素を排出すること。また、交通事故でケガや死亡事故が起きてしまうことも外部不経済の一種です。自転車は、健康に良い、環境に良い、というように言われることが多いですが、こうした負の要素が非常に少ない、ということもとても重要な要素です。
自転車を活用することで、人に迷惑をかけることの少ない社会を築いていきたいと考えています。
(現在、自転車の事故やルール違反が大きく取りざたされることも多くなってきました。利用者が増え、注目が集まってきた証でもありますが、これについてはしっかり対策をしていく必要があると感じています。)
2018年5月
代表取締役 河村 康孝
バイシクルプラスワンの由来
自転車は一般的に二輪のものがほとんどです。自転車の英語Bicycleは、“2つの”という意味を表すBiと“輪”を表すCycleからできています。つまり“2つの輪”という意味です。
“バイシクルプラスワン”とは、この2つの輪である自転車にもう一つ何かをプラスすることによって、もっと大きな価値を生み出せる、という意味を持っています。
健康や環境、地域活性化に至るまで、自転車の持つ可能性にはとてつもなくたくさんの、そして大きなものがあります。その潜在能力をもっともっと活かしていきたいという想いから、バイシクルプラスワンと名付けました。
また1人で考えられるアイデアや、1人の力でできることなどたかが知れています。「三人寄れば文殊の知恵」。1人よりも2人。2人よりも3人。より多くの人が地域づくりに関わり、より多くの人が幸せになれる、そんな社会を目指していきたいと考えています。
VOLとは
Vitalization Of Life 「人」の生活を基点とした「地域」の活性化 を目指しています
地域の活性化のためには、“雇用があり働く場所がある”という経済の安定が不可欠です。
しかし、その上で、そこで働き生活する「人」がいきいきしていなければ、本当の活性化とは言えないのではないでしょうか。
また、いきいきとしてない“やる気のない”人や企業で、地域の活性化ができるでしょうか。
自転車は、精神的にも健康的にもいきいきとした生活を作り出すことができる、最適な乗り物であると考えています。
VOLバイシクルプラスワンでは、「人」の生活を基点とした「地域」の活性化を支援していきます。