4.地方版自転車活用推進計画における「実施すべき施策」

1)「実施すべき施策」の特徴

2019年3月までに策定されている24の地方版自転車活用推進計画について、その「実施すべき施策」を国の自転車活用推進計画の18施策との関連でみてみました。

東京都、岡山県、広島県、香川県、福岡県、長崎県など、国の18施策の内容と対応させて、必要な施策を設定している地方公共団体が多くみられます。
一方で、静岡県、愛媛県、宇都宮市などでは、独自の施策設定となっています。
また、寒河江市(山形県)や守口市(大阪府)では、自転車に関連する総合的な計画ではなく、自転車ネットワーク計画を主としているものもあります。

国の18施策との対応をみると、「1.自転車通行空間の計画的な整備の促進」は当然、すべての地方公共団体の計画に含まれています。
また、「9.自転車を利用した健康づくりに関する広報啓発の推進」、「12.走行環境整備や受入環境整備等による世界に誇るサイクリング環境の創出」、「15.交通安全意識の向上に資する広報啓発活動や指導・取締りの重点的な実施」、「16.学校における交通安全教室の開催等の推進」などの施策も関連した施策が多くの計画であげられています。
一方で、「5.自転車のIoT化の促進」、「7.国際規格に合致した自転車競技施設の整備促進」があがっている計画はみられません。
国の施策以外では、「放置自転車対策」、「自転車損害賠償保険への加入促進」などをあげている地方公共団体もみられます。

 

2)施策設定における留意事項

これから自転車活用推進計画を策定予定の地方公共団体においては、「地方版自転車活用推進計画の手引き(案)」を活用されることになるかと思いますが、その際の留意事項について以下、記載します。

  • 国の活用推進計画の施策は18あげられているが、各地方公共団体では、その現状や課題を十分に踏まえて必要な施策を入れ込む必要がある。必ずしも18施策を網羅するものではない。
  • 「施策自転車通行空間の計画的な整備の促進」は必須。今までに検討してきた「自転車ネットワーク計画」が存在する場合には、それを自転車活用推進計画に位置付ける。
  • 現状での自転車利用の実態を勘案すると、短期的には「目標自転車事故のない安全で安心な社会の実現」の「施策15.交通安全意識の向上に資する広報啓発活動や指導・取締りの重点的な実施」あるいは「施策16.学校における交通安全教室の開催等の推進」の安全面の広報啓発を入れ込む。
  • 地方公共団体にとって自転車活用による健康、環境、まちづくり等の視点は重要であるので、「目標サイクルスポーツの振興等による活力ある健康長寿社会の実現」の施策を自転車活用推進計画の中でどう位置づけるのか十分検討する。
  • 「目標サイクルツーリズムの推進による観光立国の実現」の施策は、各地方公共団体の特性に応じて、サイクリスト、一般観光客等、対象が異なってくることを考慮する。
  • 市町村の施策は、隣接する市町村との整合を図ることが難しい点もあるので、広域的なネットワーク計画などは、都道府県の活用推進計画において設定されることが望ましい。
  • 各施策の実施状況は、可能な限り、定量的な指標によりモニタリングする。

 

 

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